Q
次の者は相続人になるでしょうか。
[1] 入籍していないが長年夫婦として共に生活してきた妻、[2] 後妻の連れ子、[3] 父から認知されていない子、[4] 他人の養子となった子、[5] 孫、[6] 甥、姪
Q
次の者は相続人になるでしょうか。
[1] 入籍していないが長年夫婦として共に生活してきた妻、[2] 後妻の連れ子、[3] 父から認知されていない子、[4] 他人の養子となった子、[5] 孫、[6] 甥、姪
A
[1] なりません
相続人となりうる配偶者とは、法律上婚姻をしている夫婦関係における夫あるいは妻を言いますから(従って離婚した場合にも相互に相続人としての資格を失います)、本問のような内縁の妻は相続人とはなりません。
もっとも、他に相続人が誰もいない場合には、特別縁故者として相続財産を受け取ることが出来ます(法958条の3)。
詳細は「内縁配偶者の相続権」をご参照ください。
[2] なりません
第一順位の相続人たる「子」とは、
●いわゆる血のつながりのある「実子」と
●法律上の親子関係である「養子」が含まれます。
本問のような血縁関係のない子は「実子」ではありませんので、養子縁組をしていない限り相続人とはなりません。
[3] なりません
非嫡出子(婚姻関係のない男女の間に生まれた子)であっても相続人の資格はあります。ただし、問題は非嫡出子において、親子関係をどうやって証明するかで す。母子関係については、出産という事実によって当然に親子関係が認められますから、戸籍上も親子関係が記載され、特に問題となることはありません。これ に対して父子関係においては当然に親子関係が認められるものではなく、父からの認知(法779条・781条)あるいは子などからの認知の訴えに対する判決 がなされることによって初めて父子関係が確定します。
したがって、本問の場合、このままでは相続資格はありません。
[4] なります
養子縁組をしたとしても、実親との関係で子でなくなるわけではないので、当該実親の相続人たる資格も失うわけではありません。
もっとも、特別養子制度に基づく養子縁組(法817条の2、同9)の場合は、実親及びその血族との間の親族関係が終了しますので、相続人でなくなることになります。
[5] 場合によってはなります
被相続人の子である「孫」の父又は母に「代襲原因」があるか否かによって結論が異なります。つまり、当該父又は母が、相続開始前に死亡、又は相続欠格もしくは廃除によって相続資格を失った場合には、孫が相続人となります(法887条2項)。
また、この「孫」にさらに上記3ついずれかの代襲原因があった場合には、 この孫の子、すなわち曾孫も代襲相続人になります(再代襲、法887条3項)
[6] 場合によってはなります
甥、姪が相続人となるケースは、まず当該甥、姪の父又は母(つまり被相続人から見れば兄弟姉妹)が相続人となる場合に限られます。そして、兄弟姉妹は第3順位の相続人ですから、被相続人の子、孫等の直系卑属も、父母等の直系尊属もいない場合にのみ相続人となります。
兄弟姉妹の場合にも、第一順位の子と同様、代襲相続が認められていますから、相続人である兄弟姉妹に代襲原因、すなわち相続開始前の死亡、又は相続欠格もしくは廃除があったときには甥、姪が相続人となります
(法889条2項)。
もっとも、子の代襲相続とは異なって、再代襲は認められていませんから、甥や姪の子が相続人となることはありません。