遺留分減殺請求を行った事例(遺産の内容が不明だったケース)
遺留分減殺請求を行った事例(遺産の内容が不明だったケース)
遺言によって遺産を全て相続した相続人がいるが、どのような遺産があるかがわからないし、相手に金銭的な請求をするにしても、どのような手段が可能か全くわからない、というご相談でした。
事件の進行
まずは、相続人の資格に基づいて、被相続人名義の各預貯金口座や名寄せ帳等、 相続財産の有無についてじっくり調査しました。
その結果、被相続人の口座からの不明朗な多額の出金が判明しました。 その点について先方に問い合わせましたが、全く反応がなかったので、やむを得ず、 それらの出金は相手への生前贈与であるとして、遺留分減殺請求の調停を起こしました。
調停の過程で粘り強く当方の主張を展開した結果、出金の一部については生前贈与であることを相手が認め、 それを前提として遺留分を計算することになりました。
それにより、相当額の金銭を支払って貰う内容での調停が成立しました。
弁護士からのコメント
相続分野の紛争においては、まずは徹底した調査を行うことが必須です。
この件は遺留分減殺請求が問題となっていますが、 その場合、遺産の有無や生前贈与の有無についての調査が必要です。
調査にはかなりの手間暇がかかりますし、それなりのノウハウも必要ですが、 ここに時間をかけることで、後々の先方との交渉や調停が有利に進むことが多いのです。
本件は、そのような地道な調査が結果に結びついた事例と言えるでしょう。
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